こんにちは。富山県初・日本初の零売薬局×パーソナルトレーニングジム
AMI薬局×FitnessPharmacyAMIです。
2020年コロナウイルスの影響で放送が遅れていましたが、7月16日(木)に放送されましたね。
2年ぶりとなるドラマ第一話で視聴率10%越えだったそうです。
さて、そんな【アンサング・シンデレラ】にて最初に蜂に刺されて、救急で運ばれてきた患者様がいましたね。
蜂に刺されたことによる【アナフィラキシー・ショック】です。
【アナフィラキシー】
アレルゲン等の侵入により、複数臓器に全身性のアレルギー症状が惹起され、生命に危機を与え得る過敏反応。
【アナフィラキシーショック】
アレルギー症状が惹起され、更に血圧低下・意識障害を伴う
頻度
アナフィラキシー・・・小学生:0.6%、中学生:0.4%、高校生0.3%
(※平成25年度文部科学省:学校生活における健康管理に関する調査)
アナフィラキシーショックでの死亡数の上位は
・医薬品
・蜂
の2つが多い。
医薬品では、抗生物質(抗菌薬)であるβラクタム系、ニューキノロン系が多い。
一般的に身近な薬剤で言えば、アスピリンなどの【NSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛剤】である。
これらは1剤だけでアナフィラキシーを起こすこともあれば、複数を服用した時でも生じうる。
そのため、医療機関でのアレルギーの問診には答えて頂くようにお願い致します。患者様の命に関わりますので。
【ラテックス-フルーツ症候群】
また、ラテックスアレルギーを持っている方の30〜50%は、栗やバナナ、アボガド、キウイなどの食品・加工食品を摂取時に即時型アレルギーを起こすことがあります。
【アナフィラキシーの危険因子】
年齢関連因子・・・乳幼児・思春期・青年期・妊娠・出産・高齢者
合併症・・・喘息などの呼吸器疾患、心血管疾患、肥満細胞異常、アレルギー性鼻炎、精神疾患
薬剤、アルコール・・・βブロッカー(β受容体遮断薬)、ACE阻害薬、アルコール、抗うつ剤
アナフィラキシー増強促進因子・・・運動、急性感染症、ストレス、旅行などの非日常活動、月経前
今回のドラマ【アンサングシンデレラ】で出てきたのは、βブロッカーを服用している患者様ですね。
βブロッカーを服用中の方は、一般的にアナフィラキシーを起こしやすくなるとされています。
(※β受容体を刺激すると、アレルギーを引き起こす要因でもあるヒスタミンなどのケミカルメディエーターを抑制されるため、薬で遮断すると抑制が効かなくなってしまうからである。)
【薬物治療】
第一選択・・・アドレナリン(昇圧剤)
アドレナリンはα1、β1、β2に刺激作用あり。
α1刺激=血管収縮→血圧上昇
β1刺激=心臓機能亢進
β2刺激=ケミカルメディエーターの遊離抑制、気管支拡張
第二選択
①H1ブロッカー・・・皮膚、粘膜症状の軽減(救命効果はなし)
②β2刺激薬・・・気管支拡張(救命効果はなし)
③ステロイド系薬剤・・・アレルギー遅発相反応を軽減する(※効果発現に数時間を要するため、救命効果なし)
【イレギュラー】
βブロッカーを服用中で、アドレナリンに十分な反応を示すことができない場合
・グルカゴン・・・β受容体を介さない心機能亢進
・アトロピン・・・M2受容体を抑制することでβ優位にして心機能亢進を促す