こんにちは。
今回は【十味敗毒湯】について
この漢方薬は皮膚の化膿性疾患の"初期"に用いる方剤とされている。
【毒】→ 化膿性炎症の病因(ニキビ等の原因)
先ず、漢方における治療方法の考えを紹介。
①【敗毒法】
初期で炎症と腫脹が認められて硬結(ニキビのボコっとしこりができた状態等)や浸潤はあるが膿がない時期に
【発汗薬】を主薬として発汗療法を行う事で化膿させずに消散させる治療方法である。
②【解毒法】
抗化膿性炎症の薬物(清熱解毒法)を主薬として炎症の激しい時期に用いる治療方法である。
さて、十味敗毒湯は元来はカルブンケル・フルンケルに治療に用いられていた治療薬である。
(糖尿病の方で免疫力が低下している状態の際に生じる皮膚疾患等の治療にも用いられる事がある。)
それが後に、日本の浅田宗伯さんにより応用され、広く用いられるようになったものである。
十味敗毒湯は"湿疹・皮膚炎群"の"乾燥性皮膚病変"
(脂漏性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、ニキビ等)に用いる。
※ただエキス製剤の場合は加減が不可であり、単剤使用で対応は効果が不十分であり単独での改善は難しい点に注意である。
十味敗毒湯の特徴は利水剤が少ない事である。
蕁麻疹などで湿潤傾向がある場合には適さない。
※その点にも注意である。